カオハキ

日記

はじめてのパンケーキ

先日、生まれて初めてパンケーキを食べました。

 

パンケーキは軟弱な食べ物なので、硬派な僕は今まで口にしていなかったのですが、最近、自分の中の硬派な一面が姿を消していることに気付いたので、「じゃあ食えるじゃん」ということで食べるタイミングをうかがっていたのです。

タイミングというのは急に来るもので、不意に「今日はパンケーキ!」と自分の中の何かが叫びをあげて、近くにあった喫茶店に吸い込まれていきました。それが先日のお昼のことです。

 

店に入ったら、とりあえず最初だからと、一番スタンダードなやつを頼みました。パンケーキにバニラアイスとクリームが載っていて、さらにメープルシロップをかけて食べるやつです。

コーヒーも一緒に頼んで、うきうき気分で到着を待ちます。何しろ、こっちはパンケーキブームがきてからの数年間、「うまそうだな」と思いながらもずっと店に行かずに我慢してきたのです。何のための我慢なのかと聞かれたら、何のための我慢でもないと答えるしかないのですが、それでも我慢してきたという事実はあるのです。隣の席では、初対面と思わしき男女がぎこちない会話を繰り広げており、ドキドキ感にも拍車がかかります。

 

間もなく運ばれてきたパンケーキ。熱々の鉄板みたいなのに乗せられてやってきました。本格派っぽい雰囲気を感じます。早速メープルシロップをかけて、ナイフとフォークでいただきました。

一口目を食べて、僕はすぐに思いました。「これはホットケーキだ」と。

確かに見た目はホットケーキに激似だと常々思っていましたが、まさか味まで全くおんなじだとは思っておらず、ビックリしてしまいました。

僕は、ホットケーキなら何度も食べたことがあります。それだけにガッカリしました。「あんなにチヤホヤされていたパンケーキの正体がこれかよ」という思いでした。確かに美味しいけど、世間のもてはやし具合を考えたらもっと美味しいはずだったので、ギャップを感じてしまいました。

しかも、パンケーキはめっちゃくちゃ甘かったです。ホットケーキにバニラアイスとクリームが載っていてさらにメープルシロップをかけるのだから甘いのは当然ですが、僕は想像力がないので、そこにもビックリしました。一緒に頼んだコーヒーがブラックだったので、そこに救われた形になりました。あと、隣の男女がなんか四十九日の話をし始めたので、それもパンケーキの甘みを和らげてくれた気がします。

ビックリしたので悪く書いてしまいましたが、僕が家で焼いたホットケーキと同じ味がして美味しかったので、元気に完食しました。でも、世間でもてはやされているパンケーキはもっと美味しいはずなので、その幻想を捨てずに今度は名店に行ってみたいと思います。